以前当ブログの「新登場!非粘着コーティング刃型のご紹介」という記事にて
糊が強いシールの抜き加工の対策として非粘着コーティング刃「CS コート」を紹介しましたが、
今回は非粘着コーティング刃を使う際の工夫や、それ以外の手法をご紹介致します。
糊がシールに付着してしまう際の対策、また刃型の清掃時間の短縮方法
ゼンマイ刃やビク型 ( トムソン型 ) を用いてシールの抜き加工をする際、
図①のように刃とスポンジの間に隙間がないと非粘着コーティング刃 (CS コートやシルキーコート等 )を使用しても刃とスポンジの間に糊が残り、非粘着コーティング刃の効果が十分に発揮できない場合があります。
図②のようにスポンジを刃から隙間を開けて貼り、スポンジの側面にも非粘着効果のあるスプレー (弊社で販売しているものではセラコート G)などを塗布することで糊が製品に付着することを解消できることがあります。
また刃型の清掃頻度を低減し、清掃時間の短縮にも役立ちます。
糊の対策ではありませんが、スポンジと刃の間に隙間があることでスポンジが刃の側面を圧迫しないため、刃型の変形を防ぐ効果もあります。
※セラコートG : フッ素化合物が主成分の剥離剤。非粘着効果があることから、シール用の抜き型にもよく使われています。
塗布回数は 1~2 時間を空け 2 回塗布する事により1 回塗布よりも高い非粘着効果が得られます。
実際に弊社の協力会社様がリンテック ( 株 ) 製の材料 TL-85S-250 をビク型で抜き加工する際に検証をしてもらいました。
以前は 2000 ショット行うまでに刃型とスポンジに糊が溜まり、スポンジが材料を持ち上げて抜き位置がずれてしまうため途中で一度刃型の清掃が必要でしたが、「CS コート」と「セラコート G」を図2のように使用したところ、3000 ショット以上を刃型の清掃無しで行うことができたとのことです!
また刃型の清掃時間に関しても、以前は 2 時間かけて清掃をしても刃型に付いた糊を除去しきれなかったのですが、10 分程度で清掃できたとのことです!
セラコート G 以外の副資材で、スポンジの上にテープを貼って使用するものでフローテープという製品もございます。
フッ素樹脂含浸ガラスクロスでできているため刃型に糊が付着するのを防止し、こちらの製品も使用することでカス上げがしやすくなる、製品に糊が付きにくくなる、刃型の清掃がしやすくなるという効果が期待できます。
糊戻りしてしまうシールに対しての鈍角刃(刃先角度 60°)
非粘着コーティング刃や副資材以外でシールの糊対策と言うと、鈍角刃が有効な場合があります。
鈍角刃は切り分ける刃先部分が広いため通常の刃よりも糊同士を離し、ハーフカット後のカス上げがしやすくなる効果が期待できます。
シールの加工では糊によるトラブルの対策改善は永久のテーマかもしれませんが、
少しでもお客様の仕事が楽に楽しくなるよう新製品の開発提案に努めたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
木原 優/Yu Kihara
フナミズ刃型製版の営業担当
本ブログは「シール印刷にまつわるお役立ち記事」をテーマに運営